【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
「あら。零士が寝起きに翔子以外に抱かれてるなんて、珍しいわね」



「そ、だね…」



零士は起きてすぐは、私以外になつかない。

好子さんでも大泣きする子。

マグを鞄から出し、蓋を開けると出るストローを零士に向ける。

零士はおしゃぶりをペッと舌で外し、ストローでお茶をチューチューと飲んだ。

聖さんはおしゃぶりを持つと私に渡して来て、自分でマグを持った。



「何か…親子ね(笑)」



すると、好子さんにからかわれてしまった。

私は「何、言ってるんですか!」と、軽く好子さんを睨んだ。
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