はつあい ~彼と私の30日間
高校3年の春。



おじさんが『宗嗣は勘当した』と言っているせいで、おおっぴらに宗ちゃんを訪ねられない宗ちゃんのママ。

その日、宗ちゃんの大好きな竹の子と身欠きニシンのみそ煮を差し入れで持っていくという命を受けた私は、教科書とノート片手に宗ちゃんの家を訪れた。


宗ちゃんは特別勉強が好きな訳ではないらしいけれど、数学だけは嫌いじゃないので、数学の成績が破滅的な私の強い味方だ。


上手く乗せて、あわよくば宿題をやって貰おうなんて考えていた私は、仕事帰り駅前で待ち合わせた宗ちゃんの機嫌が悪い事に落胆した。



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