朱の蝶
一新の頬を叩く手の力が
強まり、四柳は笑う。

その、笑う声にまぎれる
女の低い声・・・

「やめろ

 さわんな」

「はあ、何て?」

しゃがみ込んだまま
見上げる四柳の顔を私は
思いっきり蹴りつけた。

「汚い手で、イッシンに
 触るな言うとんじゃ」

四柳の唇から流れる血

貴女の中に棲む

もう一人の貴方は戦う

弦・・・

ごめん

女には、戻れへん・・・
< 393 / 451 >

この作品をシェア

pagetop