踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>

*新たな目


「よし、出来た」

 真仁(まひと)は溜息を吐き出し、その機械を戒(カイ)と翼(つばさ)に手渡した。

「! これは」

「特別仕様だよ」

 小さなディスプレイの付いたヘッドセットを見やる戒に応える。

「敵味方識別コードと、登録されている全てのクローンコードに赤外線とサーモグラフィ内蔵。もちろん通信機能もバッチリ」

「どうやって敵の判別を?」と翼。

「戸塚の所にいるハンターたちは専用の通信機を支給されているんだ。その電波を識別して表示する」

「ほう……」

 戒は懐かしい機械に目を細め、その感触を確かめる。
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