踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>

 地下──

「真仁(まひと)」

「!」

 包帯を巻き終わった翼が肩を押さえながら声をかける。

「水貴(みずき)がいたんだって?」

「うん」

 2人は表情を曇らせる。

「彼が契約していた組織が戸塚側に付いた事は知っていたけど、まさか彼も戻ってきていたとは思わなかった」

 足を組み、思案するように唸る真仁を見下ろす。
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