私の愛した人
「吸命鬼は簡単に言えば吸血鬼が血を吸うのと同じように命を吸うんだ」

沈黙を破ったのは可憐だった。

それもいつもよりも低く暗い声でつぶやいた。

「可憐ッ!?」

御冬さんは目を大きく見開いて可憐を見つめた。

「命を…吸う…?」

「そう。君はその吸命鬼に教われたんだ」

五島さんも暗い表情ではあるが口を開いた。

「五島おまえッ!?」

御冬さんはこの状況が信じがたいことかのように大げさなほどに戸惑った。

「御冬。隠しても無駄だ
これは本人なら誰だって知りたくなるものだ」

「でもっ!……わかったわ…
桜、だったかしら?アイツらのことを知りたいのならこれを読むのが一番早いわ」

そういって御冬さんが出したものは書類のような数枚の紙だった。




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