私の愛した人
そこには真っ赤な夕日ときれいな海が広がっていた。

白い砂が太陽の光を反射してキラキラとオレンジに輝いてる。

海は橙色に染まり時折光を反射して夕陽をきれいに魅せた。

「きれい…」

「そうね…
だいぶ気持ちは落ち着いたのかしら?」

御冬さんは海から目を離さずに優しい声で言った。

「え?」

「海の夢を見るときはリラックスしている時なのよ?
海は人間の故郷と言うでしょ?」

「確かに…そうですね…」

この海見覚えがあると思ったら、圭吾が前に私にくれた写真だ。

圭吾のお父さんは写真家で、この写真は圭吾の故郷のものらしい。

いつか一緒に行こうと約束していた場所だった。

「答えは出そうかしら?」

「まだ…わかりません…
圭吾が吸命鬼だなんて今だに思えなくて…」

少し視線を伏せると御冬さんが手を握ってきた。

「仕方ないわよ…大切な人なんだもの…」

御冬さんの悲しそうな声に私ははっと顔を上げた。

御冬さんは微笑んでいた。

「一つ。これはアドバイスよ
組織に入れば無駄な犠牲は少なくなるわ」

「え?」

私が聞き返そうとすると御冬さんは屋上の扉へと歩きだしていた。

「ヒントの意味がわかったら答えをちょうだい
それとさっきは感情的になってしまってごめんなさいね」

それだけいうと御冬さんは帰っていった。

さっきまで輝いていた夕日も沈み、空に星が輝き始めた。
< 26 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop