私の愛した人
「いや、違うぞ!
目撃者をつれてきたと聞いたから引き取りに来たんだぞ!」

目撃者を引き取り?
私を拷問(尋問)するのはこの二人じゃなくて、小さな女の子ってこと?

声や口調を聞いているかぎりだとそんなに悪い人ではなさそう。

私は少しホッとした。

「じゃあ頼むよ」

五島さんが私を持ち変える。

その時初めて少女の顔を見た。

短めではねっけのあるの髪をツインテールに結われている。
くりくりと丸くて大きい目は幼い子供にしか見えない。
おまけに身長は私の肩までしかない。

この子…いったい何才なの?

可憐という子は両手をのばしてよこせというふうに手をこまねきした。

五島さんが当たり前のように私を可憐の腕の上に乗せた。

ちょっ!?
こんな小さな子に高校生を運べるわけ…

私は心配していたが、可憐という少女は涼しい顔をして軽がると私をお姫さま抱っこしてみせた。

御冬さんも五島さんも当たり前のようにそれを見ている。

やっぱこの人たちただものじゃない…

「珍しいわね可憐。
いつまでそのかっこでいるつもり?」

御冬さんが意味不明な質問をする。

「仕方ないだろ?
さっきまで外回りをしてたんだ」

外回りて…サラリーマンじゃあるまいし…
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