私の愛した人
「あまりうるさくするとその口ホチキスでとめちゃうわよ?」

御冬さんの指が私のあごの下を突く。

怖いよこの人!

「御冬さんそんなことをしたら情報を聞きだせないからダメですよ?
やるなら情報収集が終わってからにしてください」

五島さんが笑い声まじりに言った。

ヤバイ!この人のほうが怖い!

お願いだから誰かー
拉致するなら他の人にしてくださいー!

「それもそうね」

クスリと御冬さんが笑った。

「とりあえず黙ってくれていればいいのよ
もうすぐ尋問室につくんだから」

尋問室?

私、尋問されるの?

相手がこの二人なら尋問じゃなくて、拷問になりそうだけど…

私が何をされるのかと考え込んでいると五島さんがとまった。

「おかえり!五島、御冬。今帰ったのか!」

私の後ろから幼い女の子みたいな声が聞こえる。

私の頭は五島さんの背中側にあるから、五島さんたちが見ているであろう正面の状態はわからないのだ。

「可憐ちゃんか。ただいま」

五島さんが少女に挨拶をした。

「あら可憐。お出迎え?可愛いじゃない」

珍しく御冬さんが名前でしかも優しい口調でしゃべりだした。

その子はいったい何者なの!?
悪魔とか!?
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