輝空-koukuu-
腹が減ったので、とりあえず朝メシが置いてある居間に行く。

居間には、新聞を読みながらタバコを吸う兄ちゃんと、ボーッとしている父ちゃんがいた。

「ちぃーす!」

と私が言うと、男二人は

「おー」

と無気力な返事をした。

兄ちゃんも父ちゃんも汚いしダサいしブサイクだしどうしようもない。

まぁ実際私も汚いしダサイしブサイクだしどうしようもないし不良だから、人のこと言えないんだけどね。

唯一綺麗なのは母ちゃんだけ。悲しいねぇ~

でも、みんな嫌いじゃないよ。

これが私達一家の特徴っていうのかな。

「ほら、三人とも早くメシ食えぇ~!」

なんで母ちゃんってこんな無駄にパワフルなんだろう・・・

ま、いいけど。

今日の朝飯は、くさやにみそしるに白いご飯。

あぁ~色気もくそもありゃしねぇ。

別においしいからいいけど。

「つーか朝からくさやってどんだけぇ~」

兄ちゃんが口を出すと、母ちゃんは鬼のような顔で兄ちゃんをにらんだ。

「どんだけぇ~じゃないよ!確かにくさいけどおいしいんだからっ!」

すると、ボサッとした父ちゃんが静に口を出した。

「・・・食えればいいんじゃないか?」

その一言で、兄ちゃんは納得する。

「・・・そっか。」

「ホラホラ、つべこべ言ってないでさっさと学校行け!」

「あいよー」

私達は、くさいけどおいしいご飯を食べて家を出た。

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