「卒業式と恋。」
雪:「なら、卒業まで、一緒にいよう!」
秋:「え・・・?」
雪:「卒業まで、まだ長いから!一緒に遊ぼう!」
秋:「そう、ね・・・。そうするわ!」
雪は秋の髪の毛を撫(な)でた。
その瞬間に雪の中に残っていたわだかまりは溶けて流れていくようだった。秋は、寂しそうだった。
冬の間も秋と雪は勉強をした。いろいろな勉強をした。
遊びに行ったり、参考書を開いてみたり。いろいろな勉強をしたのだ。
この時間、その瞬間を味わっていた。そして、流れていく月日は戻らないもので。
今までだったら、こう思っていた。
やっと、卒業式なのか。と。
しかし、今では。
今では、違う言葉で表したい。「もう」卒業式なのか。と。
天窓から見える月は、白く、ただ純白に輝いていた。
隣(となり)で眠っている半裸の女性、秋。その髪の毛をそっと撫でてみる。
柔らかい。
相変わらず長い髪の毛だ。さらさらと指が通っていく。きちんとケアをしているのだろう。
いつだってそうだった。この髪の毛は、いつでもさらさらだった。全てを洗い流したようにさらさらだった。
自分も、洗い流されてしまうのだろうか。そうは、なりたくない。そっと髪の毛にキスをすると、雪も眠ってしまった。