幸せの見つけかた
「で、これからどうする? 香織のこと、あきらめるか?」



「まさか! 俺が一緒に生きていく人は、香織さんだけです。 それに… 俺、惚れられてるんですよね?」



「くそっ! 言ってくれるねー。 仕方ない、向こうで誰か探すかー。」



天を仰いだ上野さんを見て、思わず笑った。






「香織のこと、頼むな。 幸せにしてやってくれ。」




「はい。」






「あ、お前を推薦したのは、俺も、良平は建設部に行くべきだと思ったからだ。 香織の言いなりになったんじゃないぞ。」



「ははっ! …はい。」





右手を差し出され、固い握手をした。










出発の時間になり、搭乗口から手を振る上野さんに、大きく手を振り返した。








やっぱり上野さんは、格好いい人だ。











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