幸せの見つけかた
「なんだよ、今朝は乗り気だったくせに。全然飲んでねーじゃん。ほら、気分上げていこうぜ! 上野さんの仕事だって、面接までで良いんだろ?」



哲也の盛り上げにも、出るのはため息のみ。





ひょっとしたらって思ったけど、やっぱり彼女はコンパには来てなかった。




あの施設での出会いが、俺たちの初対面なんだ。




…最悪の出会いだよ。





俺のテンションがガタ落ちなのを、明日からのリストラ面接が原因だと思ってる哲也は、一次会で帰る俺を、スンナリ見送ってくれた。




頑張れよと、背中を叩いて。





はぁー… どうするよ、俺。




明日からの面接は2グループに分け、2日間で行われる。




どうか…




彼女の面接に、当たりませんように…。









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