幸せの見つけかた
そんな不安を抱えながら始まった、施設での仕事。



大歓迎という雰囲気ではなかったが、明らかなイジメなどはなかった。



逆に男手が増えて助かったという感じで、どんどん仕事を頼まれる。




動けない人達の風呂入れ、車イスへの移動、オムツ交換、食事の世話…。



本当に重労働が多くて、3日目には腰が痛くなった。





「痛てて…。」



腰をさすってると、湿布が目の前に来た。



顔を上げると、年配の女性職員だった。




「ありがとうございます。」



湿布を受け取り、腰に貼った。




「もっと重心低くしないと、動けなくなるよ。」



そう言って少し笑顔を見せ、行ってしまった。






< 62 / 204 >

この作品をシェア

pagetop