幸せの見つけかた
最初は俺に距離を置いてた職員たちも、ここの職員同様に働く俺に、少しずつ温かく接してくれるようになった。



中には「良平くん」と呼び、話しかけてくれる人も出てきた。





そして俺の心にも、少しずつ変化が起きた。





ここの仕事は本当に大変で、みんな必死に働いていた。



休憩時間も充分取らずに働き、でも退社時間に帰れる人はいない。



みんな身を削って、入所者のために頑張っている。




…今の人数から減らして、やっていけるのだろうか。




面接の時に、みんなが残してくれと言ったのが、フラッシュバックする。



生活のためだけじゃなく、1人でも欠けたら、残りのスタッフの負担が大きくなる。



そんな事もあったのかな…と、ふと思った。






「残っても、クビを切られても… どっちも大変なのよ。」



彼女が言った言葉が、蘇ってくる。









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