幸せの見つけかた
第4章

ホントの彼女

「あっ、良平さん、ガーゼはもっと小さく使って下さい。」



「えっ? あっ… うん。」




施設の業務改善を始めて、1ヶ月が経とうとしていた。



今俺は、岡田里奈という若いスタッフに注意されている。



俺の提案に、最初に賛成してくれた子だ。




「この前、私も香織さんに注意されたんです。ガーゼはコストが高いから、節約してって。」



「…そうなんだ。」




俺と彼女… 佐藤香織は同じ名字のため、まぎらわしい。



だから最近は、良平、香織と下の名前で呼ばれるようになった。






「節約しないといけないのは分かるんですけどー。香織さん、ちょっと厳しくないですか?」



ガーゼを半分に切りながら、口を尖らせる。






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