1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】



「聡ちゃん、恒さん達に連絡してくれたんだ?」


「ああ? するわけな……」



恒さん率いる暴走族のお兄さん達。あたしは思いがけない再会に手をふって喜んだ。


恒さんは振り向いて驚いている聡ちゃんの肩をガシッと組んで、にっこりと笑った。



「聡一、携帯の電源を切るなんていい根性してるな?」


「……なんでここが分かった?」


「昔、バイクでこの海岸まで走りに来た時に言ってただろ? いつか本命の女ができたらこのホテルに泊まりに来たいって」



えっ……そうなの?



「うるせーよ! てか、お前らの宿は予約してねぇからな!?」


「ああ、いいよ。俺らは日帰りでいいし。な、お前ら?」


「はい! 聡一さん、姐さん、今日はよろしくお願いします!」



だから何で姐さんなの?わけ分かんない。



「みんな、ごめんね。聡ちゃんに携帯を没収されて連絡できなかったんだ」


「全然余裕っす!」


「姐さんは気にしないで下さい!」



ちょっと派手な服装を着たこの集団は、周りのお客さん達から超見られてる。やっぱり目立つなぁ。



「ラミカ、部屋に荷物置きに行くぞ」


「うん」


「じゃあ、先に俺らはビーチに行っとくわ」




< 127 / 262 >

この作品をシェア

pagetop