1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「聡ちゃん、恒さん達に連絡してくれたんだ?」
「ああ? するわけな……」
恒さん率いる暴走族のお兄さん達。あたしは思いがけない再会に手をふって喜んだ。
恒さんは振り向いて驚いている聡ちゃんの肩をガシッと組んで、にっこりと笑った。
「聡一、携帯の電源を切るなんていい根性してるな?」
「……なんでここが分かった?」
「昔、バイクでこの海岸まで走りに来た時に言ってただろ? いつか本命の女ができたらこのホテルに泊まりに来たいって」
えっ……そうなの?
「うるせーよ! てか、お前らの宿は予約してねぇからな!?」
「ああ、いいよ。俺らは日帰りでいいし。な、お前ら?」
「はい! 聡一さん、姐さん、今日はよろしくお願いします!」
だから何で姐さんなの?わけ分かんない。
「みんな、ごめんね。聡ちゃんに携帯を没収されて連絡できなかったんだ」
「全然余裕っす!」
「姐さんは気にしないで下さい!」
ちょっと派手な服装を着たこの集団は、周りのお客さん達から超見られてる。やっぱり目立つなぁ。
「ラミカ、部屋に荷物置きに行くぞ」
「うん」
「じゃあ、先に俺らはビーチに行っとくわ」