1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】



「今日は杏さんにお願いがあって来たんです」


「何?」


「あたしをこの家で雇ってもらえませんか? バイトをしたくても聡ちゃんはうちの家事だけしてればいいって言うし。杏さんの家なら遊びに行く口実でバイトできるし、直接杏さんにお金を返せると思って」



杏さんはあたしの言葉にうーんと唸った。やっぱりダメ?



「聡一からは少しずつだけど返してもらってるよ。私は聡一に貸したと思ってるから、ラミカちゃんからはお金は受け取れないな」


「そんなぁー」


「それにここで雇うといっても……ちなみに何ができる?」


「家事なら得意です! この家広いし、くまなくお掃除します。あと料理も作ります!」



杏さんに超アピールするあたし。だけど横から素早く皆吉さんが会話に入ってきた。



「ラミカ様、それは私の仕事です」


「皆吉さんが一人でこの家を掃除してるんですか? お料理も?」



ここには優秀な執事がいたんだった。あたしなんて無理かぁ。



残念……




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