かたっぽうの恋

お前は特別

もう外は薄暗かった。


まだ春になったとは言え、18時を過ぎると日が落ちるのは早くて、薄紫色の空の中に一番星が輝いてる。


実習生さんは職員室に行って挨拶して帰るというので、私は先に学校を出た。



「けっこう暗いなぁ」


家に着いたら夜だなぁ~、なんて思いながら、帰路を進む。



携帯を見ると、着信があった。

お兄ちゃんだ!





きっと、家に帰ったお兄ちゃんが、私が家にいない事に気がついて電話してきたんだね。


かけ直さないと……、
じゃないと、拗ねるんだよね。


いい歳して、







「―――もしもし、お兄ちゃん?」


《もしもし、まだ学校なのか?》


「そーだよ、今帰ってるよ」


《迎え行こっか?兄ちゃん暇だし…》


「暇なら、お願いし……あ?」


帰路を歩いてる私の後ろから普通自動車が走行してきた。


眩しいライトが私の影が長くする。



歩行者用の歩道がないので、私は普通自動車を避けようと、ガードレールの方に寄った。




その普通自動車は、凛としたブラック

躍動感あふれるスポーティなボディーのスカイライン。




スカイラインはゆっくりと徐行して、私の横に停まった。




「え、なに???」

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