たった一つのプレゼント



そっと私を引き寄せて
迅は私を抱きしめた。

優しくて温かくて


冷えきった心が

温まる。



「じん…あたしは
 どうすればいいの」


「……………」


「また独りぼっち…」


「……………」


「もう戻って…こない。
 神様はあたしから…
 大切な人を奪うの」




「…………魅麗…?」


「うぅ………っ……」



「大丈夫」






初めて聞く
あなたの優しすぎる声

ぎゅっと抱きしめる力が
強くなって

涙が溢れて



あなたの一言一言が
私の心に染み込んでいく。




「俺はずっと
 お前のそばにいるから」





どうしてそんなに

あたなは


私に尽くしてくれるの?




迅が口だけの男じゃないって
知っているから


その言葉が
どれだけ私を
救ってくれたか





< 48 / 106 >

この作品をシェア

pagetop