僕等の軌跡 2
Pairing

<ピーンポーン>
「こんにちは!」
「え…?何…サンタ。サンタ!?違う、相原さん!?」

今日はクリスマスイヴで、サプライズでサンタの格好をして、先生の家を訪ねた。

「嘘っ!まじで!?え、入って!!」

すごく嬉しそうにはしゃいで、私を迎え入れてくれる先生。
そんなにはしゃがれても…恥ずかしいよ。

「やばい…可愛い。サンタた。え、本当可愛い!!」

じーっと見つめる先生。
どうして今日、私はこんな事したのかというと…。

実は先生にずっと"サンタの格好絶対似合うからしてみて!"って冗談なのか、少し本気なのか、頼まれてたから。
すごく恥ずかしいって思ったけど、どうしても先生の喜んだ顔が見たかった。

「あ!カメラ!!写真撮ろう!本っ当可愛いから。」

カメラ!?写真!!?
写真に残すなんて、さすがにやだよー…。

「さ…サンタさんはカメラ苦手だから、逃げちゃいますよ!」
「どうしても?…可愛いのに?」

目を少しうるうるさせる先生。

「どっかでかけましょうよ!もちろん着替えますけど…。」

先生は普段からよく"可愛い"とか言うけど…今日は言い過ぎだよ!
喜んでもらえて嬉しいけど、もう恥ずかしいの限界!!

なんだかんだで、京都駅に行く事になった。

「…てか、その格好寒くない?」
「…寒い…です。」

すると先生は少し笑って、自分のマフラーをとると、私に巻いてくれた。

「えぁ…ありがとうございます。」

私どうしちゃったんだろう。
寒いはずなのにあついよ。

「寒いなぁー!マフラー貸したし、今日は手袋持ってないし…。」
「あ、…マフラー返し…。」

すると先生は、左手をさしだしてくれた。
私は何も言わず、その手を握り締めた。
私の手は全然温かくなくて、むしろ冷たいくらいだった。
だけど先生は、幸せそうに笑ってくれてた。

< 23 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop