「お前、うざい。」



「千秋君を追っているのは、あんただけじゃないの。
あたしたちだって。
他にもたくさんいる。
邪魔なのよ。


......あの時。



私たちも美術室に居たの。
あんたは気付いてなかったみたいだけど。



千秋君は、美術室で
私たちと一緒に居たの。



でも、高森さんにはちょっと同情しちゃうかも。



少し触れようとしただけで、あんな嫌な顔されて.......振り払われるなんて。クスッ。」




一斉にクスクスと笑われる。
見下される。
侮辱される。




でも、こうやって笑われることよりも。
『千秋君は、美術室で
私たちと一緒に居たの』
このことの方がもっと、悔しかった。




 

< 22 / 23 >

この作品をシェア

pagetop