「お前、うざい。」
好きの始まり。
千秋君を始めて見たのは、高校入学してから。
あの日。
あの日からこの追っかけっこは始まった。
美術の時間が終わると、半分にカットされたペットボトルを手に、立ち上がった。
その日は人物画を描いていて、もう絵の具で塗り始めた頃だった。
小学生の時使っていた絵の具セットの中に入っていた絵の具用のバケツはでか過ぎてバッグに入らなかったため、ペットボトルを半分に切った容器にすることにした。
そのペットボトルには、水に絵の具が混ざったせいで茶色く濁っていた。
なので、授業が終わると、水を捨てに行った。
「んー、やっぱり。」
近くの水道は、混んでいた。
クラスの皆で満たされていた。
「お、ラッキー。」
だから、美術室へ行くと、美術室の鍵が開いていた。