ひとりぼっち
すると、予想以上に豪快に転んだ
見事に鞄の中の商品が出た
「「「っ!?」」」
「店員さーん、その人が男の人の鞄に入れてたの見ましたよ」
「え? 本当か!?」
「だから言ったじゃねぇか!」
私はそれだけ言って、レジに向かって会計を済まして、店を後にした
あんなおばさんもいるんだなー
初めて犯罪の場を見たな…
「おーい!
ちょっとそこの君ー!」
誰に言っているんだろ?
まぁ私で無いことは確かだね
「えっ、ちょっ…っ!
君だってば!」
ガシッ!!
肩を掴まれ振り向くと、さっきの男の子がいた
「なんですか?」
「お礼を言おうと思って!」
「お礼?」
「うん!
さっきはありがとな!」
ありがとうなんて…
久しぶりに言われた…
「おーい……大丈夫?」
「えっ、何?」
「いや、なんか一瞬トリップしてたから」