君へ。
ゆうちゃんが電話を切ってからもケータイを耳にあてたまま固まっていた。




そのうち手汗をかき、ケータイがズルリと落ちた。





ゴトッという音で我にかえる。




『……用意…せな』



アタシは震える足に無理矢理力を入れて立ち上がる。



ただ、サイフとケータイだけをにぎりしめ外に飛び出した。







家の前に座ってゆうちゃんを待つ間が地獄のように長く感じる。





木田クンが心配で心配でどうしようもなかった。







するとゆうちゃんの車が目の前に急ブレーキで停まる。




すぐに車に乗り込んだ。
< 180 / 216 >

この作品をシェア

pagetop