チョコレートシェイク

「いらっしゃいませー!」

店員の声が響いた。

「稲ちゃん〜待ってたよ〜」
常連さんの旬君は店員さんと盛り上がっていた。
店内はそんなに広くなくて、結構いい時間だったのもあって、2組いるくらいだった。
常連である旬君のツレって事で、案内されたのはいわゆるVIP席だった。

「うわぁ〜♪何か気分いい〜」
私が大好きなボルドーのソファにテンションが上がってしまった。

「かんぱーい!」
お酒を飲むのは久しぶりだった。元々強くないし、普段殆ど呑まない私も、気分よく呑んでいい感じに酔っ払っていた。

この日は奈津美の誕生日って事もあって、テンションが高かった。

「奈津美チャン、誕生日おめでとう!」

旬君が大きな包みを出して、奈津美に渡した。

「えっ?!何?!」

びっくりする奈津美。
旬君はよくできた男だ。
カップルでもないのに、プレゼントって。
こりゃ落ちる女多いだろぉなぁ…なんて思った。

「篤くんは彼女いないの?」

奈津美が聞いた。

「残念ながら↓募集中です。笑」

「沙里は?沙里も今フリーだし。ね?沙里〜」

奈津美にフラれて私は慌てた。話を聞いていなかったのだ。

「…ん?」

仕方なく疑問系で返すと奈津美は呆れた顔で見た。
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