王子様と甘い生活
「ほんっとーにごめん!!!!!」
次の日、学校につくと悠真が謝ってきた。
「戻ったら、もう掃除終わってて…備品の確認終わってなかったのに、ごめんな。」
「別に、いいよ」
「本当に悪かった!これ、貢ぎ物」
そう言って、プリンを渡された。
中学生の頃、毎日食べていた大好きなプリン。
「これ、好きだろ?」
にやっといたずらに笑う悠真に、胸が熱くなる。
「悠真…昼休みに話があるんだけど」
「へっ…昼休み?」
「うん」
悠真は不思議そうな顔をしていたけど、屋上にいるよと言った。
『不完全燃焼って、よくないんじゃない?』
坂井くんの言葉が、頭に浮かぶ。
振られても良い。気持ちだけでも伝えたい。
この恋にケリを付けたい。
「坂井くん」
家では、顔を合わせても話をしてくれなかった坂井くん。
不機嫌そうな顔で、何?と言われて胸が痛んだ。
「私、燃焼することにしたよ。」
「はっ?」
「それだけ!」
そう言って、坂井くんから離れる。
坂井くんには、なぜか知っていて欲しかった。