王子様と甘い生活
すると、悠真が私の腕をつかんで向き合った。
「俺、芽依のこと好きだよ。でも、それは家族への好きみたいな気持ちに近いんだ。」
「うん…」
振られたのに、真剣にそう言ってくれるのが素直に嬉しかった。
「ありがとう、それだけで十分だよ。私も、どこかで悠真のこと家族に対する感情でみてたことあったの。でも…」
「うん…」
悠真はきっと、先輩を追いかけたいはずなのに、私の話を聞いてくれる。
先輩、家族みたいに大切な悠真はあげます。だから少しだけ思いを伝えさせてください。
「でもね、自分の気持ちにケリを付けるために告白したかったんだ。困らせてごめんね。」
そう言うと、悠真は太陽みたいににかっと笑った。