先生~あなたに届くまで~

勉強してこなきゃよかった。
補修でも何でもそばにいたい。

いつの間にか
私の生活は先生中心で回っている。

あの笑顔が私だけに向いてくれたら...
いつのまにか欲張りになる。

先生は
私が生徒として慕っている間は
こうして優しく返事をしてくれる。


だけど。
いざ断られるとやっぱり落ち込む。

落ち込む気持ちを打破するため
プリントを重ねては止め。
重ねては止め。

まるで機械のように作業を進めた。


“もう少しゆっくり
 まとめればよかった”


そう思った頃には作業ももう終わりがけ。

終わったら帰らないといけない。
そう思うと寂しくなった。


“また明日も会えるのに”


自分に言い聞かせると
寂しくなってる自分が
あまりにも自分らしくなくて笑いそうになった。


先生に会ってから
初めて知る感情が多すぎる。



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