先生~あなたに届くまで~


「それならよかった‼」

ニコッと笑う顔を見て不覚にも笑顔になりそうだった。


「で浅川!
日本史の授業前に資料取りに来てくれ!」

話しを続ける先生から目が離せない。
声を絞り出すように「はい。」と返事した。


どれくらいぶりにしっかり顔を見ただろう。
どれくらいぶりに目を見て言葉を交わしただろう。


これ以上ときめくな。私の心臓。

これ以上考えるな。私の頭。

これ以上見つめるな。私の目。


もうどうでもいいのだから。
もう先生への想いは忘れたのだから。


そして私は先生から視線をそらした。



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先生?

いつだって私は必死にあなたを忘れようとする。
いつだってあなたの嫌いな所を探してる。

それなのにあなたはいつも簡単に
心をかき乱していくから。

私はただ泣きたくなるよ。

いつだってそう。いつだって。

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