先生~あなたに届くまで~

ずるい私に下った罰。

自分の気持ちを伝える前に
答えは出てしまった。


せめてきちんと伝えれば良かった。


そう後悔してももう遅い...。

この時間は取り戻せない...。



「浅川。
 もう遅い。帰りなさい。」

先生が優しく手を差し出した。


ここにいる意味はもうない。

先生の顔ももう見れない。

日誌を廊下に置く。

下を向いたまま
先生の優しさを振りほどき
一人ですっと立ち上がり
先生の横を通り過ぎる。


だけど

「気をつけて帰れよ。」


背中から愛しい声がする。



“先生は本当に
 生徒思いな先生だね”


こんな私に優しくしてくれる先生が
凄く遠く感じて...

先生にとって生徒以外の
何物にもなれないと痛感した。



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