デイズ~Dear my mind~


そして、あの頃のうちはだんだん謎のおじさんに懐いていった。


会ったとき、いつも途中によるコンビニでおかしを買ってくれた。


今は売ってないだろう、青リンゴ味のビッグポッキー。


買ってもらったおかしの中で、特に印象が残ってる。


そして、ライターの火を腕全体に滑らせるという技。


いっつも、おじさんの手が燃えないか、ハラハラしながら見ていた。


「やるか?」


そう言われて、うちは全否定し、母さんは、


「やめてよねっ!」


と真剣に焦っていた。


そこにも、確かに幸せがあったのかもしれない。


嘘を重ねることで、手に入れた時間。



母さんは、父さんを騙し続けた。




そんな日が続いて。


ついに母さんはおじさんをうちらの家に入れたんだ。


前々からうちは、おじさんに家に来てほしいと言っていた。


話していると楽しかったから。


でもいつも、


「また今度な」


みたいな感じではぐらかされていた。


うちはいつも、


「なんで来ないの?」


と疑問に思っていた。


・・・今考えたら、来ないのは当たり前だけど。


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