【短編】ずっと大好き…ドキドキB.D…
入ってすぐ右の座敷に見覚えのある靴が置いてあって…
浅井が中を覗く。
すると
横になって寝ているみのりの姿があって…
その近くで若い男がみのりを見つめていた。
「あ、彼氏さんですか?」
浅井に気付いた男が声を掛ける。
短髪の長身、いかにも運動部系の好青年に
浅井が返事をする。
「…はい」
「オレ、佐倉さんと同じ新入職員の宮島です。
上司に勧められて断れなくて…
オレはざるなんで大丈夫だったんですけど…」
宮島の言葉に浅井が黙って…
みのりに目を向ける。
少し顔を赤くして気持ちよさそうに眠るみのりを見つめて…
「みのり、起きろ。
帰るぞっ」
少し大きめの声をかけた。
「んん~…
あれ…?
浅井さ…ん?」
トロンとした目を向けてぼーっとするみのりに浅井が小さくため息をつく。
「そう。
帰るから立って」
浅井に体を支えられながらみのりがふらつく足で立ち上がる。
浅井がみのりのバックを持って部屋をでようとした時、
みのりが宮島に気付いて声をかけた。
「あ…瑛太、ばいばい」
「おう、月曜日な~」
――――……
「…浅井さん?」
2人の会話に思わず立ち止まった浅井が
みのりの言葉に足を進めた。
後ろの宮島が気になりながらも
ふらつくみのりを支えるのに大変で…
一度も振り返らずにみのりを車に乗せた。
.