【短編】ずっと大好き…ドキドキB.D…
「…浅井さん待たせちゃったから」
「それだけ?」
「あと…酔って寝ちゃって」
「…他には?」
間髪入れずに問い詰めてくる浅井にみのりが
少し黙って…
困ったように浅井を見つめた。
「…まだあるの?」
恐る恐る聞いたみのりに浅井が黙った。
「別に…」
しばらくするとそんなそっけない答えが返ってきて…
みのりが悲しそうに俯いた。
横目でそんなみのりに気付きながらも
優しい言葉を掛ける事ができなくて…
口を開けば
嫉妬からみのりを傷つける言葉ばかりがでてきそうで
浅井も口を開かなかった。
いつもは楽しい車内が…
沈黙のまま重たい空気を乗せて走っていく。
エンジン音だけが静かに響いた。
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