【短編】ずっと大好き…ドキドキB.D…
「お邪魔します…」
浅井の部屋に着いて
みのりが小さく呟くように言いながら靴を脱ぐ。
その足取りはまだ危なっかしくて…
浅井が見てるそばからみのりがバランスを崩した。
みのりの腕を掴んで支えた浅井をみのりが見つめて…
浅井がそんなみのりから目を逸らす。
浅井がみのりの腕を離そうとした時…
「…ふ…っ」
小さく泣き声を落とすみのりに気付いた。
みのりの涙に
急に浅井が冷静さを取り戻す。
「みのり…」
「…浅井さんあたしが嫌いになった?」
涙を流しながら言うみのりに浅井が顔を歪める。
「あたしが嫌いになったから…
だから…
そんなに機嫌が悪いんでしょ?」
そんな見当違いの事を言うみのりに
浅井が小さく笑みをこぼして…
「全然ちげぇし(笑)」
呆れたように言った。
浅井の言葉にみのりが顔を上げる。
頬には涙が伝っていて
浅井がその涙を指で拭った。
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