if ‐もしも願いが叶うなら-
「片想いの相手って…」
誰?と言おうとすると、何を聞きたいか分かったのか、心音は静かに口を開いた。

「…勇希君。」

その名前にハッとする。
…勇希。
小さい頃から仲良しだった勇希。
今じゃ頼りになるお兄ちゃん的存在だけど、私しか知らない事は沢山ある。
ピーマンが嫌いな事だって、実は料理が上手い事だって知ってる。

「今日、一目見て好きになった。…バカみたいだよね、一目ぼれなんて…。」

“一目ぼれ”
その言葉は私にだって当てはまる。
私だって、一目みて先生を好きになった。

「全然バカみたいじゃないよ。私だって一目ぼれだもん。一目ぼれする事も…運命なんじゃないのかな?」

もしも運命の赤い糸というものが本当に存在するのなら、一目ぼれする事も運命かもしれない。
失恋するのも運命なのかもしれない。
そう思うと、何も怖くなくなってくる。
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