smooch【BL/完結】





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いつものように家にやってきた彼から、やけに甘い匂いが漂ってきた。

この季節にはぴったりのあの菓子類の匂いだと思う。


隣に座る彼を抱き寄せると、
それは特に髪から強く匂っている。

指を差し入れて梳くと、パラパラと細かい粉が降り落ちた。


……かぶったのか。

多分、ココアだと思う、これを。


飲もうとして淹れる途中で被ったんだろうか。
それで服は着替えてきたけど、髪にはついたまま、と。

何だと見上げてくる彼に、風呂場へ行く事を勧めよう。


「シャワー浴びてきたらいいよ」

それだけ言うと、何を考えているのか、
俯いて、髪から覗く耳が赤い。

匂いも相まって美味しそうな彼をとりあえず立ち上がらせた。


「髪にココアついてるよ」

苦笑いを作ってそう言うと、ハッとして自分の頭に手を伸ばした。

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