smooch【BL/完結】

その日から今日まで。
細々した掃除と、それに伴う危険で大変だった。

予想は当たり、いつの間にか買っていた重曹は空を舞っていたし。
残念な事に、止める間もなかった。


タイルや床を磨いている時に見た、
何故だか重心がどんどん頭の方へ傾いていく姿には、実家の犬の子犬だった頃を思い起こさせて、笑いそうだった。
その後に頭をぶつけたから、笑いどころじゃなくなったけれど。

でもずっとノート類と向き合っているよりは、気分転換になってよかったかな。
毎日ちょっとずつだったし。


そんなこんなで大晦日。

蕎麦を食べ終え、
食器を洗う俺と、隣で拭く彼。

無事に済ませソファーに座った。


彼も同じく隣に来るかと思えば、
何故か少し離れて腰を下ろしている。

もっとこっち来なよと口に出す前に、
コテン、と横に倒れこんできた。

そして頭が丁度、俺の脚の上に。


今年最後にデレてみてるんだろうか。可愛いな。

おもむろに手を伸ばしたりしてみつつ、テレビを見る。
そんな今に至るという訳だ。

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