真輔の風

「関係ない。」


「幼なじみの級友が悪い道に引き込まれないように心配しているのよ。

あの吉沢百合子って援助交際をしているらしいわよ。
ねえ。」


「ええ、私の友達が須磨の高校へ行っていて… 

そこの常習の子と付き合っているのを見ているから… 」


「それに、この間は店の前で変な男と会っていたわ。」



茜の言う店と言うのが母親が営んでいるブティックの事、

西神地区では一番の繁華街にもなっている駅前、

茜が住んでいる家のことだ。



「そうだ、俺も見た。

あいつ、日曜日の夕方、
三宮で変な中年と手を繋いで歩いていたぞ。

あれは絶対に親父ではない。

ああやって小遣い稼ぎをしているのだろうなあ。」



いつの間にか男子生徒まで話に入ってきている。



「吉沢毅君はこの辺りでも有名な秀才なのに… 」



誰かが百合子の兄のことを話し始めた。




「関係ないだろう。」



そこまでが限界だった。

真輔は皆自分から離れろと言わんばかりに、

生まれたばかりの赤子のように澄んだ瞳を
冷たい眼差しに変えて、

周囲を睨んだ。

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