真輔の風
「危ないことは駄目だぞ。
お前は怖いもの知らずのところがある。
昨日のばあさんを見ただろう。
心配で涙が出ていたぞ。」
「分かっているよ。話の途中だから早く出て行ってくれよ。」
真輔は祖父の気持ちはよく理解できている。
親代わりに育ててくれた大切な二人だ。
昨日は… 警察のイメージが違っていた。
自分が思っていた警察官、正義の味方の警察官ではなかった。
だから祖父母に心配をかけてしまった。
しかし、これは自分の友達が関係していることだから…
自分でも何か動くべきだと言う衝動が沸き起こっている。
いつもは何事にも無関心だったが…
こんな気持ちになることは珍しいことなのだ。
今までは祖父だけを信頼していた。
祖父と話をすることが一番楽しかった。
そして、祖母の側にいることが一番好きだった。
だけど今は… 今は信一の話が最優先だ。
病院で横たわっている龍雄のために、
何かしなくては友達とは言えないと思っていた。
そう、昨日から真輔の中に、新しい何かが生まれていた。
ここに来て、友達、と言うものをはっきりと意識した。
友達… 勿論、龍雄とここにいる信一だ。