真輔の風
「わかった、手帳は僕が預かる。怒らないさ。
僕は彼女と話したことがあるから家も知っている。
渡しながら話を聞いてくるよ。
もし無関係だったら、警察に名前を出したらかわいそうだろ。
そうだな、信一は関係ない振りをしていろ。
もし警察に聞かれても何も知らない、と言っておけばいいさ。
龍雄が逃げろ、と言った心はそれだったと思う。」
と、真輔は頼もしい言葉を出している。
「良いのか。」
「ああ、僕のことは警察も知っているから隠す必要はない。
僕とも関係ない振りをしていた方がいいな。」
誰も真輔と信一が、
こうして友達のように話していることなど想像もしないだろうが…
とにかくそういうこととして別れた。
山田信一… 昔で言う隣村の大工の息子だ。
しっかり自己紹介を祖父の前ですれば、
25年前、栄作たちがここへ戻ってきて家を補強、
改造した時に、仕事を頼んだのが信一の祖父、
山田五平だったということが分かったものだが…