真輔の風

その時、信一の父・公平も息子として一緒に仕事をしていた。

もっとも五平は16年前に脳梗塞で亡くなり、

その葬儀には栄作も出席した。


信一は… 今はバイクが好きで龍雄と行動を共にして遊んでいるが、

卒業したら建築の専門学校へ行き、

図面の描ける大工になりたいと思っている。


だから、一度は補導されたが、

行動には気をつけよう、と自分なりに思っているのだ。


が、龍雄のことや、真輔の一本気な気持ちを考えると、

どこか後ろめたい心が見え隠れしている。

自分のほうが龍雄との絆は強かったはずなのに。




朝がゆっくりだったからと、軽い昼食を済ませたところに、

まるで見ていたようなタイミングで刑事が二人、

覆面車で訪問した。




「昨日は誠に申し訳ないことで… この通りです。」



と、玄関に入るや否や、

高橋と名乗った警部と横原という刑事はまず頭を下げた。
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