真輔の風
昨夜、神戸西警察署の署長は真輔たちが帰った後、
真輔の家庭環境を、
祖父母と暮らしているという少年のことを軽い気持ちで調べてみた。
そして、保護者になっている小田切栄作という人物についても調べた。
そしたら何と、その人は…
検事局長を退職して、生まれ故郷に戻っていた人だと分かった。
今年80歳になるらしいが、
人脈の多い人のようだった。
そして今朝、県警本部へ会議で行っていた署長は、
兵庫県警本部長・山根にとって恩人らしい、と言うことまで分かった。
何があったのか分からないが…
とにかく心証を害されたら厄介だ、と言うことだけは頭に入れた。
おまけに、少年の父親、小田切孝輔は
東京で法律事務所を構えているやり手の弁護士という。
昨日の会話の中でも、訴えるか、なんていう言葉まで出たようだ。
何にしても厄介な家族、
捜査が県警本部と合同になったことを機に
関係警察官全員に報告した。
だから選ばれて訪問した警察官は、
なるべく関りあうことをせずに、
とにかく写真だけ見せて…
心象を良くして帰ろう、という気持ちで訪ねてきたのだ。