一方通行な恋心
 私はレストルームを飛び出すと、鞄を持って挨拶もそこそこに飲み屋を飛び出した。

 霧島君が来ている。

 駅で待っててくれている。

 靴ずれで足が痛いのも忘れて、私は走った。霧島君を待たせたくなくて。

 1秒でも早く、霧島君の顔を見たくて。

 私は駅に向かって、全力疾走した。







「霧島君っ!?」

 私は駅の構内で、椅子に座っていた霧島君に声をかけた。

 それから私は乱れた呼吸を、胸を抑えて整える。

「園崎、走ってきたのか? 終電までまだ時間があるのに」

 霧島君が、電車の時刻が書かれているボードに目をやった。

 終電までは、まだ1時間半ほどあった。

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