大好き
文化祭。
うちの学校は
毎年クラスごとに
劇をつくって発表する。
今年はどんな劇を
やるんだろう。
「私今年はどうしても
シンデレラやりたい!」
クラスで一番
かわいい川崎ちひろ
がいった。
多分これできまっちゃう。
うちのクラス積極的ぢゃ
ないし、
川崎さんの意見なら
顔パス。
「誰か、他のやりたいやつ
いるか??」
私
わたしはね
シンデレラじゃなくて
美女と野獣がやりたい。
だって
食器とか
いっぱい役あるから
みんなで劇やれるし、
何より
ストーリーがすき
美女と野獣が
恋に落ちるなんて
ロマンティック。
どうしようか
言うか 言わないか
前の歯で唇を髪ながら
足の先で
貧乏ゆすりをする。
いまいち勇気がなくて
言えない。
きっと
即却下
顔ストップ。
「おい、何眉間にシワよせてんだよ。
こええよ。」
声をかけてきたのは
転校生。
あれ??
いつの間にか
私の隣のせきにいる
多分学級委員の人の
席だから空いてたのかな。
「えっ」
「今すっげえかおしてたぞ」
なんか
思ってたより
さばさば喋る。
減点
「私美女と野獣やりたいなって」
「いえやいいじゃん」
「でもきっと
顔ストップかかる。」
「顔…なに??」
「顔ストップ!」
彼は微かにこらえたけど
やっぱりやめたみたいで
声をあげて笑った。
やめてよ
みんなみちゃうぢゃん。
「なにそれ
お前おもしれえな」
もうやだ。
ため息をつく。
