エリートな彼に甘く奪われました
俺はすぐに視線を逸らそうとしたけど…、動けなかった。

彼女を見たまま固まってしまった。

彼女の黒い大きな瞳から目が離せない。

彼女もどうしたらいいのかわからない表情でそのまま俺を見ている。

………。



「浅香さぁん?どうしたんですかぁ」

麻耶がスーツの袖をちょんと引っ張りながら俺を呼んでいる。

「……ん、ああ、ごめん」

何秒くらい彼女と見詰め合っていたのか。

ふと我に返り視線を外す。


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