エリートな彼に甘く奪われました
彼の温かい胸にくるまれて頬をすりよせる。

出張中だった遼が突然現れて嵐に巻き込まれた様に共に今を過ごしてどれくらいの時が経ったのだろう。

そんな思いが頭の中に浮かび上がった瞬間だった。

「愛、いつまでもずっとこうしていたいけど俺、夕方の飛行機で那覇に戻るから」

彼の突然の言葉に夢の中から現実に引き戻される。

遼の胸から顔を離し彼を見上げる。

「あと少しで俺の企画が認められそうなんだ。これからまた一週間くらいはかかるかな…」

彼は私を優しい眼差しで見詰めながらそう言うとふわりと笑った。

私は彼の綺麗な瞳を見詰めながら突然、涙がどっと溢れてきた。

自分でも信じられない位、次から次へと零れてくる。

彼は驚いた様子で私を見ていたが、またギュッと抱き締めてくれた。

「どうしたの?ばかだな、一週間だけだよ、すぐに戻ってくるよ」

分かってる。分かってるの、仕事だから仕方ないって。

でも、もう離れたくない。少しの時間でも遼が側にいないなんて嫌…。

彼を困らせたくはないのに、私ったら、子供みたいに駄々をこねて…。

きっと彼は呆れてる。

でも、何故か本当に今離れたらダメな気がして。

「うっ、うっ、…」

彼の腕の中で彼の香りに包まれながら私はしばらく泣きじゃくっていた。

「待ってて。すぐだから。すぐに帰ってくるよ」

遼は私の頭にキスを落としながら髪を優しく撫でてくれていた。






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