エリートな彼に甘く奪われました
空港に着いてから…。

あ、まただわ。

あちらこちらから感じる視線…。

沢山の人が行き交う中、やはり彼は周囲から注目されている。

そりゃ、見るわよね。スラッと長身でスタイルだって抜群。綺麗な顔に仕立ての良さそうなスーツ。

然り気無く座っているだけなのにモデルみたいなんだもの。

目がつい、行ってしまう事、私が一番分かっている。

今まで一番彼に見惚れてきたのは私だから。

だけど隣にいる私は見られる事に慣れていない。

そわそわして何だか落ち着かないんだけど、当の本人はいたってマイペース。

長い足を組んでカップコーヒーに口をつける。

「あの、遼?」

「ん?」

「あなたっていつもこんな感じなの?」

「ん?何が?」

「何だか、女の人がみんな見てる様な気がするんだけど」

「別に誰も見てないよ」

「いいえ、見てるわよ。感じないの?」

「何?妬いてるの」

「なっ!ち、違うわ」

言いながら、正直内心穏やかじゃなかった。

彼はふふっと笑って私の顔を覗き込む。

「いちいち気にしてられないよ。今の俺の目には愛しか入らないからさ」

「………」

どうしてそんなにいつもストレートなの。

これじゃヤキモチも妬けないわ。

「ね、愛、怒らないで。こっち向いて」

耳元で小声で囁かれて顔を上げる。



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