エリートな彼に甘く奪われました
こんなところで…!

人が大勢見ているのに!


遼を離そうと押してもびくともせず強く私の身体を押さえつける。

視線を向こうへ向けると驚いた顔でこちらを見ている釜田さんと森山さんの顔が見える。

や、もう、やめて…。

みんなの前でこんな…。
遼は平気なの?!

そう言いたいけれど意識がだんだんとぼやけてくる。

私はもう人前である事も、森山さんの事も、どうでも良くなってきていた。

やっぱり彼には不思議な、抵抗しきれない力がある。

私を一瞬にして操り、蕩けさせていく。

やがて彼は静かに腕を離すと悲しそうに瞳を揺らして私を見詰めた。

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