エリートな彼に甘く奪われました
俺は彼女の少し窶れた身体をしっかりと受け止めて抱き締め返した。

「どうしたの、そんなに寂しかった?」

「遼…、遼っ」

愛は俺の胸に顔を埋めて俺の名前を何度も呼んだ。

「大丈夫、もうどこにも行かないから。ずっと愛の側にいるから。

ね、顔を見せて?」

そっと身体を離して愛の顎を持ち上げた。

涙に濡れた大きな瞳。

息がかかりそうな程に顔を近付けて覗き込む。

「俺も…、会いたかった」

そう言って笑うと彼女が目を閉じてそっと顔を近付けてくる。

「待って、中に入ろう」

と言って部屋に彼女を押し込んだ。






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